工業の発展は“顧客毎にパーソナライズされた自動車”を生み出し、これが必然的にRFIDシステムの導入につながっています。以前は自動車は“既製品”を購入していましたが、今日では予め、顧客の好みに合わせた仕様となっています。
このパーソナライズ化の流れは、自動車の製造工程のどこにおいても顧客毎の仕様が分かるようにする必要性を生みました。フォルクスワーゲン社においても、この必要性が発生しています。搬送システム上でのスムーズなデータの保証手段として、ドイツのモーゼル工場ではこのTURCKの新しいRFIDシステムのフィールドテストが行われています。ベルギーのゲンクにあるフォード社の工場では既にこの新世代技術が適用されており、4,000個以上のICタグが現在使われています。
“空中”でのデータの書き込み
RFIDシステムは、データを保持するICタグ、データの読み書きを行うリーダ、ライタ、インターフェースモジュール、そしてコントロールシステムで構築されています。また設置時の必要に応じて、ソフトウェアや物流システムを導入することもあります。ICタグをバーコードに替え、リーダをバーコード読み取りスキャナに置き換えると、よく知られたバーコードシステムと同じシステムになります。従って、バーコードシステムと似通っています。
最近のICタグはEEPROMが用いられており、最近ではさらに最大64KBまでのメモリを使用できるFRAMも使われるようになっています。EEPROMが最大で10万回データ書き込みが可能なのに対し、FRAMは少なくとも100億回もの書き込みが可能で、しかもEEPROMに比べ、書き込み速度は10m/s以上と飛躍的に向上しています。この特性により“空中”でのデータの読み書きが可能になっています。
ある程度の速度が求められる場合や、データをICタグに頻繁に書き込み、再保存する必要がある場合、ICタグにはFRAMを使うことになります。1秒間隔で24時間連続してICタグにデータ書き込みを行うと仮定した場合、EEPROMの場合はせいぜい2日で書き込み可能回数に達してしまいますが、FRAMならば、100年を越えても書き込み可能回数に達しません(理論的な年数であり、データ保持期間を示すものではありません)。これは、現実的には半永久的と言える回数であると捉えられます。